長期間パソコンを使用していると、動作が遅く感じることがあります。以前は快適に動作していたのに、最近起動や反応が遅くなると感じたことはありませんか?本便利帳では、そういった不調を感じたときに試すべき基本的な対処方法を解説します。
1. 不調の原因
パソコンのパフォーマンス低下は、ハードウェアではなくソフトウェアが原因であることが多くあります。以下では、ソフトウェア側の問題を解決するための手順を説明します。
2. システムファイルのチェックと修復
Windowsのシステムは、アップデートの失敗や突然の電源断、互換性のないドライバーによって破損することがあります。これにより、パソコン全体のパフォーマンスが低下したり、フリーズやクラッシュ、ブルースクリーンといった問題が発生します。
システムファイルの状態を確認し、修復するためのツールとして「DISM」と「SFC」があります。これらのツールを使うことで、システムのバックアップファイルと現在のシステムを比較し、問題を修復することができます。
手順1: 復元ポイントの作成
修復作業を始める前に、万が一のトラブルに備えて「復元ポイント」を作成します。
- Windowsの検索バーに「復元」と入力し、「復元ポイントの作成」を選択。
- システムドライブ(通常はCドライブ)の保護設定が有効になっているか確認。
- 無効になっている場合は「構成」から保護を有効にし、容量を5GBから10GBに設定。
- 「適用」をクリックし、続いて「OK」を押す。
- 「作成」をクリックし、復元ポイントの名前を入力(例:「修復前のポイント」)。
これにより、作業後に問題が発生しても、元の状態に戻すことが可能です。
手順2: DISMコマンドの実行
次に、DISMコマンドを使用して、バックアップシステムファイルの整合性をチェックします。
- 「コマンドプロンプト」を管理者権限で実行します。検索バーに「cmd」と入力し、右クリックから「管理者として実行」を選択。
- 以下のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
このコマンドは、システムファイルにエラーがないかをチェックし、エラーがあればインターネットから修正データをダウンロードして修復します。
手順3: SFCコマンドの実行
続いて、SFCコマンドを使用して、現在のシステムファイルをチェック・修復します。
- 以下のコマンドを入力し、エンターキーを押します。
sfc /scannow
このコマンドは、システムファイルに破損があった場合、自動的に修復を行います。
3. エラーが修復されない場合
まれに、SFCコマンドでエラーが修復できないことがあります。その場合は、以下の手順をお試しください。
- エラー1:「Windowsリソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした。」
- システムドライブに問題がある可能性があります。
- 「chkdsk c: /f」を実行。
- 「DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth」を再度実行。
- 再び「sfc /scannow」を実行。
- システムドライブに問題がある可能性があります。
- エラー2:「Windowsリソース保護は、修復サービスを開始できませんでした。」
- 特定のシステムファイルが使用中である可能性があります。
- 再起動後に再度試す。
- それでも解決しない場合は、セーフモードで「sfc /scannow」を実行。
- 特定のシステムファイルが使用中である可能性があります。